医師に大切なこと
1. 人間性,2. 理解力,3. フットワーク,4. 感性
研修医の皆さん 手に負えない急性期は 救急科専門医に相談しましょう。 

感染症管理で注意すること
感染症情報の入手  2 LinkIcon戻る

感染症情報の入手について

日本や世界では,感染症のサーベイランスをしており,この情報を診療に適切に応用しましょう。この感染症サーベイランスとは,感染症の発生状況を調査し,その発生状況を集計することにより,感染症の蔓延と予防に役立てるシステムのことです。日本では,感染症発生動向調査(IDWR:infectious disease weekly report),病原微生物検出情報(IASR:infectious agents surveillance report),感染症流行予測調査(NESVPD:National Epidemiological Surveillance of Vaccine-Preventable Diseases),院内感染対策サーベイランス(JANIS: Japan Nosocomial Infection Surveillance)の4つの事業が,厚生労働省と国立感染症研究所により行われています。世界の感染症サーベイランス情報(表参照)および日本の感染症サーベイランス情報にアクセスして,研修医時期の感染症動向の把握に役立てましょう。

表.003.jpg

(1)世界保健機構による感染症サーベイランス 
 世界では,世界保健機構(WHO:World Health Organization)が,さまざまな国際ネットワークを通じて感染症の発生動向の情報を収集し,世界警戒対応(GAR:Global Alert and Response)などとして発信しています。GARではインフルエンザや炭疽菌などの19の感染症を対象としてそれらのアウトブレイク情報やファクトシートをホームページに公表されています。
WHO GAR: http://www.who.int/csr/en/

(2)米国の感染症サーベイランス
 米国では,CDCがNNDSS(National Notifiable Diseases Surveillance System)を取りまとめ,毎週,MMWRS(Mortality and Morbidity Weekly Report)をホームページに公開しています。米国では,感染症の届出規則は州単位の規制となっているが,届出対象の疾病は,疫学専門家委員会(CSTE:Council of State and Territorial Epidemiologists)が決定し,報告内容と報告期限の見直しが定期的に行われています。
NNDSS:http://wwwn.cdc.gov/nndss/
MMWR:http://www.cdc.gov/mmwr/

(3)ヨーロッパの感染症サーベイランス
 ヨーロッパ(欧州)では,各国の公衆衛生機関や研究機関が欧州連合(EU:European Union)としてネットワークを形成し,2005年に欧州疾病対策センター(ECDC:European Centre for Disease Prevention and Control)を設立しています。ECDCは,欧州の感染症サーベイランスに基づいて,毎年,報告書として「Annual Epidemiological Eeport on Communicable Diseases in Europe」をホームページに公開し,ファクトシートを掲載しています。
ECDC:http://www.ecdc.europa.eu/

(4) オセアニアの感染症サーベイランス
 オーストラリアには1989年に設立された伝染性疾病ネットワーク(CDNA:Communicable Diseases Network Australia)があり,届出感染症のサーベイランスが継続されており,解析データが豪州保健高齢省(DHA:Department of Health)のホームページに公開されています。また,ニュジーランドでも届出感染症が定められており,ニュージーランド環境科学研究所(ESR:The Institute of Environmental Science and Research Ltd)が,保健省の委託としてEpi Survという電子届出システムを用いて,感染症サーベイランスを行っています。
DHA:http://www.health.gov.au/internet/main/publishing.nsf/Content/cda-surveil-nndss-nndssintro.htm
ESR:http://www.esr.cri.nz

(5)日本の感染症発生動向調査
 日本では,1981年に18感染症を対象に感染症発生動向調査が開始され,1999年4月には新たな法律として「施行された感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」が制定され,さらに2003年11月5日の感染症法の改正により,現在の感染症発生動向調査における病原体サーベイランスが図のように施行されています。

図.001.jpg

 感染症発生動向調査では,全数届出が必要な1類~5類感染症と,定点医療機関からのインフルエンザウイルスなどの5類感染症についての届出基準が定められています。このような感染症発生動向調査に届け出の必要な感染症については、国立感染症研究所のホームページに詳細に記載されています。感染症関する国立感染症研修所が感染症法に規定された疾患の全国での発生の調査を集計している。感染力と感染した場合の危険性などから,感染症を1類から5類 に分類しており,国家試験の際にも覚えたかもしれませんが,これからもずっと大切な内容ですので,適時,厚生労働省などのHPでチェックするようにしましょう。届出の必要な感染症に関して,厚生労働省などのホームページを閲覧し,常に十分な理解としておく必要があります。 こういう感染症に対する管理と治療を,また,我々の救急・内科系集中治療室で学び,診療の実力をつけて下さい。
感染症発生動向調査:http://idsc.nih.go.jp/idwr/index.html

(6)日本の病原微生物検出情報
 国立感染症研究所のホームページに病原微生物検出情報として,全国の地方衛生研究所と検疫所から送られる最新の病原体検出報告に基づいたグラフ,集計表,および速報記事が公表されています。インフルエンザウイルス,ノロウイルス,風疹ウイルスなどのウイルスの検出状況や,カルバペネム耐性腸内細菌科情報,アシネトバクター属の分子疫学解析などの情報が満載であり,ICU感染管理に必要な情報を入手できます。
病原微生物検出情報:http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr.html

(7)日本の感染症流行予測調査
 国立感染症研究所のホームページに感染症流行予測調査として,集団免疫の現況把握および病原体検索などの調査結果が公表されています。これは,インフルエンザ感受性調査やポリオの予防接種調査,日本脳炎感染源調査などの結果を含み,厚生労働省,国立感染症研究所,都道府県・都道府県衛生研究所等が協力して実施している調査事業です。
感染症流行予測調査:http://www.nih.go.jp/niid/ja/yosoku-index.html

(8)日本の院内感染対策サーベイランス
 国立感染症研究所のホームページに院内感染対策サーベイランスの結果が公表されています。2014年1月〜6月までの公開情報では,VAP発生率は1.4/1000患者・日,カテーテル関連血流感染発症率は0.6/1000患者・日となっています。この内,VAPの原因菌の18.3%がMRSAであり,17.4%が緑膿菌であり,次いで8.7%がMSSAであることが示されています。このようなデータに各ICUは登録することが必要であり,自施設の管理状況を日本国内の水準と比較すると良いです。また,我々の救急・内科系集中治療室で,急性期の感染症管理を学部事をおすすめします。
院内感染対策サーベイランス:http://www.nih-janis.jp/index.asp

2014年12月31日(水) 友引
教授 松田直

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