創造とイノベーション:診療の実践があるところに医学の「発展」と「創造」が生まれます



救急科スタッフ

ER 救急科診療科長 松田直之
ER 救急科 医局長 山本尚範
ER 救急科病棟医長 海野 仁
ER 救急科外来医長 眞喜志 剛




はじめに
 名古屋大学医学部附属病院(名大病院)は,災害拠点病院であり,地域医療に貢献できますように1次救急医療,2次救急医療,3次救急医療のすべてに対応しています。
 2010年度は,救急外来(ER:emergency room)で10,777名の急性患者に対応し,このうち救急車搬入数は2,238名でした。2011年5月1日より,救急搬入における重症患者の受け入れ先として,救急・内科系集中治療部(Emergency & Medical ICU:EMICU)が10床で稼働しています。ERおよびEMICUの運用を,名古屋大学大学院医学系研究科救急集中治療医学分野に所属する救急科専門医と集中治療専門医が支えるように頑張っていますが,まだまだ,東海地方を含めて日本全国に救急科専門医や集中治療専門医は少ない状況にあります。この領域に専門性を提供し,最先端の安全な急性期管理医療を提供するとともに,医師・看護師・医学生・救急救命士などへの急性期管理教育を行う場を育てていくことが大切です。
 多くの救急と集中治療を専門とする医師が,MEIDAI救急・集中治療の立ち上げに参加しはじめ,2014年7月1日には名大病院に「救急科」を診療科として立ち上げることができました。救急医学と集中治療医学の教育を,診療の場からも構築できる環境が整えていくことになります。救急車搬入台数は2014年度は4,165台,2015年度は4,321台と,名古屋および愛知におけるmedical control体制における一定の役割と地域救急医療の安定化に尽力できたと思われます。



 ERは,一歩中に足を踏み入れれば,そのアクティビティがわかる特徴があります。MEIDAI ERは,3次救急医療に加えて,1次医療も2次医療にも対応しますので,緊急性のトリアージに加えて救急領域の医師としての実力を維持できる環境となっています。また,救急科として,救命救急センターに準じて救急内科系集中治療部で,重症病態を管理しています。このようなERの機器や設備ですが,安全管理をより高めるための毎年の充実を目標としています。ER内のベッド配置なども,動線の確立により充実しています。2012年には,初期診療治療室1に麻酔器を配備し,診療におけるベッド右側と左側の人的動線を整備しました。2013年度には,急性期モニタリングシステムが多角的視野で確認できるように充実できています。2014年度より,ER内のすべての部屋の管理状況を拡大モニタリングできるテレビ記録モニタリングシステム(TV monitorring system of ER:TVER)を配備し,安全管理および,急性期ER管理の教育を振り返って行うことができる充実した体制としています。急変に対する診療を支える急性期診断/治療部門として,また震災や急性期再生医療への緊急時対応に備えた環境として充実を目標とします。


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2010年 MTASS:MEIDAI Triage Acuity Scale Systemの稼働

DSC00238 2.JPGDSC00238 2.JPG光と森の中に名大病院はあるDSC00051 2.JPGDSC00051 2.JPG名大病院は上空から見ると鶴の形であるDSC01874.JPGDSC01874.JPG救急外来正面玄関DSC00608.JPGDSC00608.JPG中央診療棟7Fはヘリポート
DSC07892 2.JPGDSC07892 2.JPG救急外来 救急車搬入裏玄関 当医局からダッシュ15秒の距離DSC04510.JPGDSC04510.JPG広域災害に備えたヘリ搬送システムの整備DSC04525.JPGDSC04525.JPG広域災害に備えたヘリ搬送システムの整備DSC00201 2.JPGDSC00201 2.JPG急性期管理の教育活動の重視
DSC01177.JPGDSC01177.JPG松田塾 人工呼吸のモニタリングの徹底指導から開始されたDSC09707.JPGDSC09707.JPG名大救急オリジナル トリアージボード MTASSDSC00140.JPGDSC00140.JPGPCPSの素早い導入 誰よりも安全で最速を目指してDSC01245.jpgDSC01245.jpg比較的ルーティンな血液浄化法
DSC08256 3.JPGDSC08256 3.JPG広くとられたベッド周りの環境DSC08482.JPGDSC08482.JPGプレゼンテーションの充実DSC09581.JPGDSC09581.JPG2011年 当教室の救急・集中治療医による忘年会の一風景DSC08864.JPGDSC08864.JPG昼夜のメリハリを付けた集中治療管理へ移行DSC03095.JPGDSC03095.JPG夜景の見えるEM-ICU ドラマは今日から始まる
DSC01936.JPGDSC01936.JPG本格的蘇生動線の完備 2012年改革 エコー配置重点化 松田策DSC01909.JPGDSC01909.JPG2014年度 電源とどうs値のクリーン化戦略完備 DSC01890 のコピー.JPGDSC01890 のコピー.JPG2013年より研修医教育・救急科専門医育成教育を徹底化10557440_808305712556203_913272150509374818_n.jpg10557440_808305712556203_913272150509374818_n.jpg救急指導 ERブートキャンプの開始 2014年度

 現在,多くの国立大学病院は,2000年代より私立大学病院と同等な救命救急センターを備え,救急診療体制を充実させ,災害医療を含めての「急性期医療」を充実させてきています。今後10年〜15年においては,急性期管理医療の高い専門性が国内や世界に必要となって行きます。当教室も,この体制に備えるだけではなく,国内外や近隣の多くの救命救急センターを補助できるように,診療と教育の体制を整えています。すなわち,これまで研修医の先生に一任していた救急外来システムは,急性期管理専門病院としてはふさわしいものではなく,より専門化された診断と治療を提供できる救急科専門医Cmps.pngが必要とされています。今後,国内ではより一層に,緊急性と重症性を臓器に区分なく対応できる第1類の専門診療科として,救急科専門医の育成が必要とされてきます。
 名古屋大学大学院医学系研究科救急・集中治療医学分野は,2010年2月1日の松田直之教授の着任以来,さまざまな診療科や連携協力病院の皆さんとの連動の中で,救急科専門医を「診療」,「教育」,「研究」の3つの柱を備え持つ学者として育成しはじめました。2025年には,TOKAIや日本のみならず,世界に貢献できる急性期学術管理の教室として精進しています。





 MEIDAI救急科は,2014年7月1日に発足しました。救急車搬入台数は,2014年度に4,165台,2015年度に4,321台を維持しました。当講座のメンバーの増加と,さらに各専門診療科の皆さんとの連動により,段階的に増やすことができています。
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 MEIDAI救急科は,超急性期管理の診断と治療において,深く研鑽を積み,世界の急性期医療の発展に尽力することを目標としています。救急外来(ER: emergency room)の管理は,3次救急医療だけではなく,ウオークインのトリアージを含む1次・2次・3次のすべてに対応して,診療と教育を行っていることが特徴です。これにより,救急医の診断と治療とERコーディネートの力量を高く保ちます。さらに特徴としては,重症患者さんの集中治療をEmergency & Medical ICUで完全な「closed system」として管理し,幾つかの病態のデータベースを運用し,高い治療成績を展開していることです。これにより,初期診療から急性期管理医学の専門性を,患者さんだけではなく,学生さん,研修医,パラメディカル,そして各専門診療科の皆さんに,安定して提供することを目標としています。
 また,関連連携病院との相互診療を重視し,院内に救急搬入されてきた患者さんを抱え込まないシステムを展開しています。地域連携,逆紹介を重視した急性期医療の活動体制を大切にしています。3次救急医療施設は,重症緊急患者さんが多数同時発生した場合を含めて,メディカルコントロール体制として,相互連携するシステムを構築することが目標となります。皆で力を合わせて,任せるところは任せる,そして,システム・ひと・資機材,この救急医療領域において,急性期の責任のある診療として,診療・教育・学術が,包容と再編成の中で育っていくことに尽力します。 名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野 一同



2015年度(2015年4月〜2016年3月)の救急外来診療の推移
第6期 新入局2名  総勢36名連携診療体制(MEIDAI病院 21名体制)

2015
年度

救急外来診療数(名)

 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 総 数
1次救急
607
725 681 776 722 704 735 647 773 706 778 730 8,604
2次救急 121 195 155 161 162 134 140 163 169 157 127 121 1,805
3次救急  53   62  67   49  64   70  72 85 115 83 92 80 892
救急科診療 502 701 486  625  643 785  661   639 761  1,011   617 600 8,030
救急車搬入
280 328 362  388 382 332 385 355 425 392 336 356 4,321
他専門診療科診療協力












逆紹介












総 数 813 1,080 957 1,042 1,014 958 1,078 1,009 1,116 1,039 1,093 1,001 12,200

2015年度は,4月に新たに2名の新入局メンバーを向かえ,救急外来と救急・内科系集中治療部の診療だけではなく,救急医療における診療教育を,より一層に充実させました。また,国外よりタイ集中治療専門医,台湾国立大学,ウイーン国立大学などように,複数名の留学を受け入れました。そして,毎年,複数名の救急科専門医の取得者を排出し,2015年度も新たに3名の救急科専門医が誕生しました。その中で,4,321台の救急車受け入れを行いました。2015年度は,3次救急医療892名の対応において,交通外傷231例,来院時心肺停止177例,急性薬物中毒229例などにも対応しています。 名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野

2014年度(2014年4月〜2014年11月)の救急外来診療の推移
第5期 新入局6名  総勢34名連携診療体制(研究生2名帰局)

2014
年度

救急外来診療数(名)

 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 総 数
1次救急
671
887 626 707 732 775 684 722 793 991 624 612 8,824
2次救急 125 168 141 158 134 134 151 125 142 188 117 139 1,722
3次救急  73   65  76   82  80   74  77 70 66 74 69 69 875
救急科診療 502 701 486  625  643 785  661   639 761  1,011   617 600 8,030
救急車搬入
304 368 308  349 342 344 405 340 332 423 325 325 4,165
他専門診療科診療協力 399 463 421  388 397  249   340  337 281   287  254  255  4,102
逆紹介   7   15  16   17
  11
  15   23    8  15  22 11  17  177 
総 数 901 1,164 907 1,013 1,040 1,034 1,001 976 1,042 1,298 871 855 12,132

2014年度は,新たに6名の新入局メンバーを向かえ,救急外来と救急・内科系集中治療部の診療と教育を,より一層に充実させました。4年来要望し続けた救急科設立がやっと本年度に承認され,救急医療の専門教育,専門診療,さらに最先端研究の基盤ができました。これにより,救急科専従医として田村有人外来医長と救急科医をERに設置し,他院転送の考慮を含めて,救急車断り件数を減らすことができました。「救急科の3次診療の充実」と「高度救命救急センター化」が,2025年度に向けた「特定機能病院」および高度先進病院の活動指標と絶対条件になります。2014年度は,名古屋大学医学部附属病院に救急科を設立できたことにより,いわゆる常識的な救急医療を展開できる基礎ができました。それが救急科診療数の増加,他院逆紹介の充実として,結果として現れています。 

MEIDAI病院ERは緊急度の高い内因性疾患の救急搬入のシステムは,既に完全配備できました。そこに,多発外傷などを苦もなく,負荷もなく受け入れることができれば,災害医療急性期においても広く急変対応できますので,日常からの救急科による外科系対応の育成は極めて重要ととなります。これを部分的に達成することができてのが2014年度であり,管理統計を含めて多発外傷の受け入れを救急科が責任をもって行える基盤が形成できています。そして,現在,救急医療の活性化における地域マグネット救急診療方式(急性期病院間連携)をしっかりと育てています。大同病院(全般対応),上飯田第一病院(脳神経外科・整形外科対応),名古屋逓信病院(老齢者対応),名古屋セントラル病院などとの診療連携システムを当講座の救急・集中治療医の代務管理システムなどとして充実させ,急性期管理と亜急性期管理の医療連携システムを充実させてきました。また,2014年度の特筆すべきは,ドクターヘリの搬入と搬送のシステムが整え,ドクターヘリが運行されはじめたことです。ドクターヘリの基盤整理の1年となりました。

救急医学領域の,「学術」の発展に不可欠な診療と教育の場の形成を国立大学にも作る必要がありまました。診療レベルを地域にしっかりと提供し,そして救急医療のできる医師を育成し,最先端診療研究を発展させる。このような,診療・教育・研究の基盤として,近未来に地域と日本に向けた「救命救急センター」とすることが必須でしょう。救急科設立によってもたらされたことは,急性期管理医学の診療と教育と研究の発展でした。救急外来に専従するスタッフを定め,急性期管理の実力を強化する1年となりました。

2014年度は,当講座に麻生飯塚病院,自治医大,タイ,台湾国立大学などからの多数の医師留学がありました。このような海外との教育連携におきましてもにおいて,診療と研究の教育ができる体制基盤ができました。グローバル化と急性期・亜急性期・慢性期の病院マグネット方式の構築の中で,2015年度の救急医療を安定的に充実させることになります。

2014年度(2014年4月1日~2015年3月31日)のER診療数は,12,132名であり,2014年度より救急科の誕生により,確実に対応数をしました。一方,救急車搬入数は,救急科により2013年度から2014年度で3,214例から4.165例に951例上昇させましたが,2015年2月と3月の低迷は集中治療管理日数の遅延による重要受け入れ制限のためもあり,速い集中治療回復を指導する私としては不徳とする限りです。以上をもとに,2015年度計画は,救急科の専門性をより高め,これを院内外に広報し,急性期管理医学としての救急科の専門性を広く提供し,2014年度以上により良き急性期医療を提供することを目標とします。2015年度の救急車搬入台数は,4,500台(具体的には4,550台)を目標とし,世界最先端・世界最高の急性期管理能力を,学術と教育と科内検討をもって発展させたいと考えます。2014年度は,救急科基盤確立の初年度となりました。誠にありがとうございました。
名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野
 

2013年度(2013年4月〜2014年3月)の救急外来診療の推移
第4期 新入局3名  総勢31名連携体制

2013
年度

救急外来診療数(名)

 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 総 数
1次救急
745
766 739 782 698 683 629 599 799 846 697 721 8,704
2次救急 113 118 125 148 163 126 133  130 150 143 126 118 1.593
3次救急 91 53 42 51 47 42 46 39 79 86 56 73 705
救急車搬入
299 251 261 293 276 258  251 189 303 325 266 242 3,214
総 数 974 1,009 974 1,002 948 947 848 804

1,073

 1,133 916   975 11,603 

2013年4月は,新たに3名の新入局メンバーを向かえ,救急・内科系集中治療部の診療と教育を充実させ,2014年度からの新しいERシステムに耐える救急診療の構築を目標としました。2013年度(2013年4月1日〜2014年3月31日)のER診療数は,11,603名であり,2012年度より低下しました。一方,救急車搬入数は,3,214例であり,2012年度より増加し,救急科専門医による安全性の高い高度救急医療が育成される過程にあります。診療においては,看護部との連携の中で,看護スタッフがERに在中するシステムを整えはじめた1年でした。さらに,2013年度は,2012年度以上に中東遠総合医療センター,小牧市民病院,大同病院,上飯田第一病院などの近隣のER診療を補助できる診療体制を,当医局員の外勤/代務として整えました。2013年度の名大病院ERにおける救急専従医等による診療総数は11,603名であり,2012年より減少しましたが,これはすべて救急医の力量の限界によります。救急車搬入台数は,年間総数台3,214台でした。3次救急医療は,受け入れ断りによる伸び悩みを見せており,救急のできる医師,救急搬入用のベッド確保と急性期診療体制が問題となっていました。2014年度は,3次救急医療に対する専門教育,その上での日本の将来に向けての救急科専門医育成,そして地域のための救急診療の質の安定化と診療連携のために,急性期専門診療として救急科病棟を稼動できることになり,地域や日本に貢献できると考えています。これにより,関連連携病院との紹介・逆紹介などの連携がスムーズに運用できると評価しています。ER,そして集中治療のできる医師,そしてコメディカルを育成する準備期間として3年間を必要としました。(文責:教授 松田直之)

2012年度(2012年4月〜2013年3月)の救急外来診療の推移
第3期 新入局4名  総勢28名連携体制

2012
年度

救急外来診療数(名)

 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 総 数
1次救急 714 778 615 789 709 733 692  708 825 936 757 756 9,012
2次救急 154 128 126 135 120 130 124  128 147 147 111 115 1.565
3次救急 64 44 44 69 41 53 45 60 66 74 61 66 687
救急車搬入
 247 260 219 286 239 251  251 240 294 331 281 290 3,189
総 数 975 996 826 1049 908 980 914 959

1,080

 1,222 984   1,008 11,901 

2012年4月は,新たに4名の新入局を院内に向かえ,さらに将来の救急医療を支える基盤が整いました。診療においては,看護部との連携の中で,徐々に救急医療を育てている段階にあり,安全管理のために大きなフロー制御とし,昨年度と同等としました。その一方で,近隣のER診療を補助できる診療体制を,当医局員の外勤として整えはじめました。2012年度の名大病院での救急外来における救急専従医等による診察は総数11,901名であり,すべてを初期診療しています。救急車搬入台数は,年間総数3,189台でした。3次救急医療は,受け入れ断りによる伸び悩みを見せており,救急搬入用のベッド確保と急性期診療体制が問題となっていると多角的に評価しています。3次救急医療に対する専門教育,その上での日本の将来に向けての救急科専門医育成,そして地域のための救急診療の質の安定化と診療連携のために,急性期専門診療として救急科病棟を稼動し,東海地域に貢献する時期であると考えています。一方,本地域の救急外来などの多発外傷を含めた急性期診療における診療指導・治療成績の向上に向けた指針は,2013年度以降の重要課題となります。(教授 松田直之)

2011年度(2011年4月〜2012年3月)の救急外来診療の推移
第2期 新入局14名+研究補助員3名 総勢24名連携体制

2011
年度

救急外来診療数(名)

 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 総 数
1次救急 778
804 786 762 735 718 700  663 778 896 699 698 9,017
2次救急 128 126 124 151 116 140 130  122 151 138 117 130 1.573
3次救急 49 57 61 63 63 67 62 67 64 69 47 66 735
救急車搬入
 213 235 298 285 284 252  273 264 279 267 213 267 3,130
総 数 1,000 1,060 1,023 1,059 969 990 965 924

1,034

 1,166 909   925 12,024 

2011年4月には,救急スタッフと新規医局員の14名の参加により,将来の救急医療を支える基盤が整いました。その中で,緩徐ではありますが,名古屋大学病院も最先端急性期医療を支えるように救急部の質が専従医配置および教授等の指導体制の強化の中で,より一層に充実してきました。さらに,私が提言するごとく,救急医療を教えることのできる教育者育成の場としました。救急医療の本質を将来に向けて発信するための急性期診断治療の教育,さらに緊急性医学,重症度医学としての教育と,専門医レベルの質の高い管理を維持する救急医療を体制とできました。救急医療の質を維持するためには,ある一定量の急性期診療を行っていること,継続していることが大切です。つまり持続力が「急性期医療の質の維持」に不可欠です。これが,大震災などの災害医療の救済にもつながります。その一方で,救急や集中治療に専従となるものを育成するために,救急科病床を救急科として運営することにより,診断力と治療力,さらに他院紹介力を鍛え,より適切で早い急性期医療の診療体制を築くことができます。2011年度は,さまざまな救急関連病院ができてきています。2012年度は,より一層に,このような地域連携病院と連動し,救急医療体制を構築することになるでしょう。救急医療のフロー制御を行わせて頂きながらも,2011年度の名大病院での救急外来における救急専従医等による診察は総数12,024名であり,救急車搬入台数は年間総数3,130台であり,735名をICU管理としています。(教授 松田直之)

2010年度(2010年4月〜2011年3月)の救急外来診療の推移
第1期 新入局2名  総勢7名体制

2010
年度

救急外来診療数(名)

 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 総 数
1次救急 607 706 629 729 675 636 657  591 706 809 663 740 8,193
2次救急 125 132 123 128 96 140 122  114 143 156 122 140 1,541
3次救急 35 41 30 35 46 24 34 43 43 54  42 58 485
救急車搬入
 184 162 155 203 195 164  169  168 172 223  202 241 2,238
総 数 807 1,008 818 935 856 845 851 819 926 1,059 865 988 10,777


2009年度は,月あたりの救急外来診療患者数は平均750名,救急車搬入台数は月あたり平均125台,3次救急患者数は月平均25名でした。2010年2月1日に,私が名古屋大学に着任し,この体制では救急医療の診療と教育と研究ができないことを問題としました。愛知県では,急性期管理医学としての救急医療や集中治療の学術や専門性が教育されていない問題を提起しました。救急科専門医や集中治療専門医も,非常に少なく,育成されていない状況でした。このため,2010年度より私自らが救急車搬入を周囲に負担が極端に起きないレベルで無理なく適切に受け入れ,医師および看護師に対しての教育体制をひき,年度末には月あたりの救急車搬入患者数241名レベル,月あたりの3次救急患者数58名としました。そして,救急科専門医が不在な中で,診療教育に励みました。また,院内の急性期診療基盤の教育整備,地域医療機関との連携,他院急性期搬送相談,後方支援病院連携の策定しました。近未来には,救急医療と質の安定化のために他病院のように救急科設立が重要となることを重視し,この要望を病院に提出しました。また,旧体制の各内科診療科による「内科直制度」の改善を計ることを審議し,院内に救急部運営会議を発足させ,さらに東海圏と全国を回り,急性期管理医療としてERと集中治療の両方のできる若者のリクルートを行いました。そのような中で,循環器内科,消化器内科,手の外科より派遣された3名の医師と看護部と連動し,2010年度は約1000名増加の10,777名の救急外来受診患者に対応し,救急車搬入台数を2,238まで増加することができ,再受診患者さんの急変を断らない診療基盤が構築できました。(文責:教授 松田直之)